化石燃料は世界共通の限りある資源、私たちの金銭感覚でいつまで買えるのか?

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今朝のニュースでは追い込み漁イルカの入手禁止の話題で持ち切りですね。要約すると、日本の伝統漁であるイルカの追い込み漁は残酷だとして、世界動物水族館協会からそういたルートでのイルカ確保を止めないと、世界中の動物園との連携がぶっ飛んでしまう。というお話です。この追い込み漁のルート以外では、イルカを入手するのは中国の爆買いの影響で金銭的に厳しくなっています。今後はイルカは既存のイルカの繁殖でしか対応できなくなる為、将来イルカが水族館から消えてしまうのではないかというお話です。

 

秋田ホッキョクグマ訴訟と中国の爆買い

 

同様の話は枚挙にいとまがありません。秋田の男鹿水族館が、ホッキョクグマ購入を巡って動物商(動物専門の業者さん)と訴訟騒ぎになったニュースをご存じでしょうか?いきなり何の話だ?と思われるかもしれません。が、実はこれら動物入手のお話は私たちの将来にも大きく関係するお話なので、少し解説してみたいと思います。

 

この水族館では、04年のリニュアル時の目玉として、ロシアから子供のホッキョクグマ1頭を迎え入れました。名前は豪太くん。豪太くんは陸上最大の肉食獣ではありますが、真っ白でとってもかわいらしく、「しろくま豪太のうた」がある程の人気のホッキョクグマです。その豪太くんのお嫁さんを探すため、水族館では09年に被告の動物商と約1600万円で売買契約を結び、着手金として約350万円を渡しました。ところが、その後何年たっても豪太くんのお嫁さんは豪太くんの元には来てくれませんでした。

 

一方ほぼ同時期に静岡の日本平動物園でも、在園中のロッシーくんもお嫁さん探しをしていました。なんとこの動物園では11年にタイのサファリワールドという動物園から、バニラちゃんという可愛いお嫁さんの獲得に成功しています。いつまでたっても豪太くんのお嫁さんが手に入らず、水族館側から着手金の返還を求めて訴訟を起こしたわけです。普通に聞くと動物商の動きが悪いんでないの?というお話ですね。

 

野生動物の価格暴騰と中国の爆買い

 

さて、ではなぜ私がこのシロクマのお話を持ち出したかというと、温暖化と言えばシロクマが有名だから・・・ではありません。実は、このシロクマ問題には中国の存在が大きく影響しています。10年に中国のGDPは日本を抜いて世界第2位になったのは記憶に新しいと思いますが、昨年14年では1000兆円を超え、あっという間に日本の2倍まで膨らんでいます。ここ数年の間の中国の経済成長は目を見張るものがあります。

今中国では、経済成長と共に文化の成長も進んでおり、空前の動物園、水族館建設ラッシュを迎えていて、ありとあらゆる動物をかき集めています。実は日本平動物園が支払ったロッシーのお嫁さんであるバニラちゃんのお値段はなんと6000万円、男鹿水族館の購入希望価格の4倍です。2009年〜2011年のたった2年間のうちに、ホッキョクグマの国際価格が4倍に跳ね上がっていたのです。たった1500万円の予算しか持っていない男鹿水族館がホッキョクグマを購入できるわけがありませんでした。なお、担当した動物商さんのコメントでは、売買情報を仕入れるだけでも5万ドルもかかっているそうで、男鹿水族館の手付金では情報すらつかめなかったという事ですね。ちなみにタイの動物園の残り5頭のホッキョクグマは、全て中国に買い占められてしまったそうです。

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シロクマの相場を少し振り返ってみると、昔は1頭300万円ぐらいだったそうです。ところが日本がバブル期に世界中からシロクマを買い占めたことで、1500万円まで相場が急騰しました。まさに今の中国と同じことを昔私たち日本もしていたんですよね。

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化石燃料は世界共通の限りある資源、私たちの金銭感覚でいつまでも本当に買い続けることができるのか?

バブル崩壊からどっぷりデフレがしみ込んでいる、私たち日本の感覚ではたった1年で価格が4倍というのは、ちょっと考えにくいですね。でも、経済成長真っ盛りの中国の金銭感覚は私たちとは違うという事を、この話から学ぶことが出来るのではないでしょうか。

中国はバブルだから長続きはしないだろうと高を括るのか。いやいや中国の次にはインド、そしてアフリカも控えているから深刻だと考えるのか。経済は今やグローバルにつながっています。化石燃料などのエネルギーは世界共通の資源であり、世界共通価格です。

私たちの金銭感覚でいつまでも本当に買い続けることができるのか?少し立ち止まって考える必要があるのではないかと私は思いますが、皆さんはどうお考えでしょうか。

ScreenClip

 

なお、シロクマ豪太くんには11年には釧路市動物園からクルミちゃんという素敵なお嫁さんをGETしました。さらに、12年には可愛い愛娘のミルクちゃんが誕生しています。

 

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