冬の乾燥は危険!湿度管理の重要性とは?

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※2020年に公開した動画の書き起こしです。
動画でご覧になりたい場合はこちら↓↓↓

なぜ冬は肌が乾燥するのか

みなさんこんにちは。今日はなぜ冬になると乾燥するのか。そしてそれを防ぐためには何をすればいいのかについてお話をさせていただきます。まずはこちらをご覧ください。

こちらはなぜ冬は肌が乾燥するのかを表したグラフになります。ポイントが皮膚表面温度を33度と仮定した場合に相対湿度ごとにどのぐらい乾燥をしにくいのか、もしくは乾燥しやすいのかっていうのを表したグラフなんですけど、グラフの読み方としては下に行けば行くほど皮膚表面温度における飽和水蒸気圧との圧力差が小さくなる、つまり乾燥しにくくなるということになります。

ですから温度が上がれば上がるほど、かつ湿度が上がれば上がるほど皮膚表面温度との差が小さくなるので水分が抜けにくくなる。逆に温度が下がれば下がるほど相対湿度にかかわらず、相対湿度が高ければ高いほど乾燥しにくいんですが、明らかに温度が低くなると乾燥が進む。つまり皮膚表面温度との圧力差がどんどん大きくなる傾向にあるので、冬は肌が非常に乾燥しやすくなるんです。

乾燥によって考えられる健康リスク

肌のリスク

これは物理的な法則として避けられないんですね。なので冬になると乾燥するわけです。例えば私の場合、肌はがすごく乾燥するととってもかゆくなるので掻けば掻くほどさらに痒くなって炎症を起こして真っ赤になるっていうのがあったんですね。

この家を建てる前に、賃貸マンションに住んでいたことがあるんですよ。短期間でしたがその時には非常に乾燥してめちゃくちゃ大変でした。今は高性能な住宅に引っ越して湿度管理がちゃんとできるようになったので、この冬の乾燥で、例えば皮膚が乾いてしょうがない、しょうがなくて掻く、というのはかなり減りました。

一部、外に出たときにちょっとかゆみが出ちゃうんですけど、家の中では乾燥でかゆみが発生するというのはなくなりました。私は男性なのであまり美容に対しては大きくは気にしないんですけど、女性にとっては美容の観点からも、また健康の観点からも肌が乾燥するというのは非常に厄介な問題なのではないでしょうか。

通常の状態の肌というのだと基本的には保湿がしっかりできている。そうすると紫外線やウイルス・細菌、様々なアレルギー物質といったものが来ても肌のバリアが正常に機能している場合というのは、大きな問題にはなりにくいというのあるんですけれども、冬になって乾燥し、いつも以上に水分を奪われる。そうすると肌のバリアが壊れてしまった場合、さらに水分がガンガン抜けていくという状態になります。そうすると肌の正常なバリア機能というのが担保できません。

それによって紫外線によるシミやそばかすができやすくなってしまったり、細菌やアレルギー性の物質なんかもガンガン通してしまって肌が非常に荒れていく、もしくはアレルギー性の様々な疾患が出てくるっていうことが深刻化するというのがありまして、乾燥ってすごく危ないというか、リスクの高い状態だという風に考えてよいのではないでしょうか。

喉のリスク

それから乾燥することっていうのは喉にとっても非常によろしくないという状態になりまして非常に健康リスクが高まるというのがあります。正常な喉というのは繊毛運動というのが活性化していますので、例えば何か異物が入ったとしてもそれをですね喉の繊毛が外に押し出すということをしっかりとやってくれるので、多少の病原体とかそれからアレルギー物質が入ってきたとしても、繊毛が外に出してくれるということで被害を最小化することができる。

ですから2020年の夏の新型コロナ第二波というのがあったんですけども、無症状の方が多かったっていうのはみなさん記憶に新しいと思いますが、繊毛運動が活性化していると奥まで落ちにくいので、基本的には罹らない、もしくは罹患したとしても最小限度の上気道で治っていくという形が多かったのではないかと推察しております。

ところが冬になって、繊毛運動が低下していくと、かなり抑制されてしまった状態、つまり乾燥した喉になってしまうと、入ってきた異物を全部綺麗に出していくというのができなくなるというか止めることもできなくて、一部の病原体やアレルギー物質が奥まで入ってしまったりすると、これが例えばコロナ禍の今、新型コロナウイルスだったりすると、奥まで入る、つまり肺まで行ってしまってウイルスに罹患しまった場合というのは重症化するリスクが急激に高くなる可能性がある。

ですから、冬に罹患するリスクというのは夏と比較にならないほど重症化の危険性が高いという可能性があるので喉の保湿はすごく重要と考えています。

乾燥とウイルスの関係

また冬になるとインフルエンザもそうでしたし、今だとコロナもそうなんですけど感染症が拡大する傾向にあるんですね。なぜかというと先ほどお話した繊毛運動っていうのは結構影響があると考えているんですけど、同じくウイルス自体が広がるスピードっていうのが冬になると拡大する。これも乾燥が関係しているんですね。

例えば、おしゃべりして呼吸している時にはすごく微量の唾液の飛沫というものが飛んでいます。湿度が高い状態の場合はほとんどの唾液の飛沫がそのまま地面に落ちるんですけど、冬になって乾燥しやすい状態になった場合にはこの唾液の飛沫というのが、例えば5マイクロメートル以下ぐらいの飛沫というのは、飛んだ瞬間に空気中の乾燥力が高いと全部乾燥してしまって、飛沫核といって半分くらいでギュッと小さくなったものになってしまうんですよ。

この場合に水分が無くなるとすごく重さが軽くなるので、下に落ちずにそのまま小さい飛沫核というものになって空気中に漂うんですよ。これが夏に比べて冬は極端に増えるという状態になります。特に室内ですね。その状態で先ほどのように乾燥して繊毛の運動があまり活性化してない状態になると、その飛沫核が奥まで入ってしまう可能性というのが夏に比べて格段に上がる。だから感染症が蔓延しやすくなるという状態になるので、乾燥って本当に恐ろしいんですよ。

ではなぜ冬に非常に乾燥しやすくなってしまうのかというのを説明したいのですが、そのためには空気と水蒸気の関係についてお伝えする必要がありまして、まずその乾燥と真逆の結露について説明しながら、なぜ乾燥するのかというところに持って行きたいと思います。

なぜ結露が発生するのか

こちらのグラフは空気1kgあたりに含むことのできる水蒸気の量を重量で表現したグラフになります(重量絶対湿度)。線が境界性になりましてここから上に行くとそれ以上空気は湿気を含むことができないので全部結露として外に出てきます。下に行くと外側に行けば行くほどより乾燥しやすい環境になりまして周りの物質から水を奪おうとする力が強くなっていきます。

空気というのは、この真ん中を目指して足りなかったら奪おうとするし多かったら水を戻してくるということを行います。空気が含むことができる湿気の量というのは温度と大きく関係しています、温度が小さくなればなるほど温度が低くなればなるほど含むことのできる水蒸気量が減っていく。逆に温度が大きくなればなるほど大量に湿気を含むことができるようになっているんですね。

20度の空気に最大量を含むことができる湿気というのは14.7g になります。この状態を湿度100%と言います。例えば半分の7.35グラムしか入ってなかったとすると、100%に対して重量が半分になっていますから、これが湿度50%という状態です。

相対湿度というのはこの最大に含むことができる量に比べて今何パーセントぐらい入っていますかっていうのが相対湿度、いわゆる一般的に湿度何パーセントと言われているものになります。結露のお話を戻しますと、例えば20度で100%湿度が入っている、14.7g 入った空気があったとして、これを10度まで冷却すると何が起きるかというと10度のMAXで入れられる最大水蒸気量は7.6g なので差の7.1g が結露水になっちゃいます。

空気が乾燥する理由

なぜ冬に空気が乾燥するかというと、寒いからなんですよ。例えば夜にぐっーっと気温が冷えて0度になったとします。0度の飽和水蒸気量って3.8gぐらいなんですよ。お昼になって日が照ってきて気温が10度まで上がったとします。そうするとMAXが先ほど7.6gというお話をしましたが、ちょうど50%。さらに気温が上がったらどんどんどんどん相対湿度が下がってくるということで、夜ぐっと冷え込むと空気に入っている湿気量がその分減っちゃうんですよ。その結果として、昼間暖かくなってくると非常に乾燥するということを繰り返しています。なので、冬になると空気というのはすごく乾燥すると。

暖房時の乾燥対策

よく暖房すると乾燥するという風に考えられていると方多いと思いますが正解です。なぜ冬に乾燥するかというと暖房するからです。例えば外気0度、湿度85%の状態でこの外気を取り込んで20度まで暖房したとすると、3.2 g 水蒸気が入っていたんですけど、このまま20度まで暖房すると20度の時って先ほどお話したとおり14.7g がMAXなので、わずか22%まで低下するわけですよ。そうするとすぐに12%ということで非常にカラッカラの状態になります。ですから、冬冷たい空気を室内に取り込んで暖房するという行為自体がめちゃくちゃ乾燥するということになります。

これを回避するためにはどうしたらいいかというと、同時に加湿してあげる必要があります。50%の湿度にしたいとすると+4.2グラムの加湿が必要になります。

ですから暖房をする時に加湿を一緒に考えない場合というのは冬の室内はカラッカラになるということになります。

ですから、どのような方式であっても暖房をすると室内の場合には冬は必ず乾燥します。加湿を同時に考える必要があるんですね。さらに言うとエアコンに関しては、プラスアルファで乾燥の要因がありまして、空気を直接温めて大量に吹き付けるという行為をします。その時に例えば暖房した空気って40度とか場合によっては50度近くになります。高温の空気をばーっと吹き付けてくる。これが直接人間の体に当たると、先ほどの原理をお伝えした通りめちゃくちゃ温度が高い状態でカラッカラの空気っていうのを体に吹き付けてしまうと、その部分ってめちゃくちゃ乾燥が促進されるんですよ。その風が直接体に当たるような設置の仕方をしてしまうとめちゃめちゃ乾燥するんですよ。

高性能住宅は肌に乾燥した高温の空気を直接当てないように設計できる

なので高性能住宅って、エアコンがフロアに1台もしくは1軒に1台ぐらいにすごく少なく設置することが多いんですけど、なぜかというと暖房した時に風が直接当たらないように考えて設置しているんですよ。各部屋に暖房を設置してしまうと基本的に風が当たっちゃう。そうするとめちゃめちゃ乾燥します。なので人がいない部屋、例えば廊下であったりとか小屋裏であったりとかロフトであったりとか、人がいない部屋にエアコンを設置してそこで暖房する。そうすると風は直接当たらない。

高性能な家だと、その暖房の余熱が周りの部屋までじわーっと回ってくるんですね。広範囲に暖房することができますから、風を直接当てずに暖房するということが可能になる。床暖房とかパネルヒーターなんかとほとんど変わらない状態でエアコンを使うことができるので、高性能住宅でエアコン設置する場合というのはだいたいそのように設計するケースが多いです。

ちょっと話が長くなってしまったのでここで一回切ってですね、前編後編に分けて乾燥についてお届けしたいと思います。次回の動画に関しては、加湿するためにどのようなことをするとどのくらいの湿気が加湿できるのかというところをお伝えしたいと思いますので続けてご視聴ぜひ宜しくお願いします。

後編の動画はこちら↓↓↓

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