新築部の金矢です。
前回でエネルギーパスのおさらいをしました。
エネルギーパスは家の燃費を表示したもの。
ということは家の省エネ性であったり、断熱性能、エコ差加減が分かったりするものだと言えますね。
この省エネ性、日本の業界ではいろんな基準で語られることが多いですね。詳しいエンドユーザーの方でもご存知の方も多いと思います。
省エネ等級であったり、Q値やC値であったり・・・
これらとはどう違うのか。そしてエネルギーパスで分かることはなんなのか?
【ex1:省エネ等級】
住宅エコポイントや住宅性能評価など、また次世代省エネ基準など、住宅のチラシでもよく目に付くことも多いかと思います。
現在日本では省エネ等級が1?4まであり、等級4が最高ランクでいわゆる次世代省エネ基準なって言われています。
内容としては建材ごとの規定(ペアガラスにしなさいとか断熱材を何mm以上にしなさい)を満たしてクリアしていくことが多いですかね。
この規定は北海道から沖縄まで6つの地域ごとに分かれており、それぞれの地域ごとに規定がことなります。
この基準自体が世界的に見るととても低レベルなため等級6とか7相当の家をつくっても等級4でひとくくりになってしまうんです。
ですので高気密高断熱など断熱性能を謳うビルダーさんは「次世代省エネ基準クリアしました!」なんてことを謳いません。
次にご紹介するQ値やC値を謳うことが多いかと思います。なぜなら数値で定量的に判断できるから
ちなみにこの次世代省エネ基準、次世代というわりに制定されたのは1999年3月!
次世代でもなんでもありません。ちょっと前世代基準と改名しなければならないくらいなんです!
そして基準時代が努力目標に過ぎません。基準に法的拘束力があるわけでもなく、むしろクリアしたらご褒美がもらえちゃいます。
当然、完成する家の性能はたいていこの基準周辺にへばりつきます。
そしてこの基準自体が世界的に見て、大変低レベル!それすら義務ではなく努力目標・・・
【ex2:Q値やC値】
Q値とは熱損失係数といって熱の逃げにくさを数値で表しており、数値が小さいほど熱が逃げないことを意味します。
よく断熱性能が売りであるビルダーさんはQ値を謳うことが多いですね。Q値は躯体の断熱性能を計る上でよく登場します。
ちなみにこの千葉などの関東(?地域)の次世代省エネ基準相当でQ値=2.7(w/?・k)ですが
断熱性能を謳うビルダーさんであれば最低でも2.0をきるくらい、1.0近辺になるとすごいよねってなるレベルじゃないでしょうか
またC値とは相当隙間面積といって躯体にどれくらい隙間があるのかを数値で表しており、数値が小さいほど隙間がないことを意味します。
C値が小さいと隙間風がないので暖かい空気が逃げない、と思っていただければ構わないかと思います。
一般的に気密が良いといわれるのはC値=2.0以下(ですが高気密を謳うのであれば1.0は切りたいよね)、
何も気にしないでつくると5.0以上ってとこでしょうか。
これらの値が良いと何がちがうのでしょう。ちょっと家を雪山のペンションに来ている人に例えてみましょう。
Q値が高く、C値が低い家は、もこもこのニットだけを着ているようなもの。家にいれば暖かいですが風が強い外にでると寒そうです・・・
Q値が低く、C値が高い家は薄手のウインドブレーカーだけを着ているようなもの。う?ん、体が冷え切っているとまだ寒そう・・・
Q値とC値のどちらも低い家、つまりウインドブレーカーの下にもこもこのニットを着てはじめて暖かくなりそうですね。
等級とは違い数値で定量的に判断できるのでよく性能比較に使われることが多いです。
Q値C値の低い家ほぼエネルギーパスの燃費も良い結果になります。なぜならエネルギーパスの計算の中でも同じことを計算しています。
でも家の燃費はこれだけではありません。
後編では
「エネルギーパスで具体的に計算するものは何なのか」にいきましょう!
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